ダウン症の原因は?

 

ダウン症は通常よりも染色体の数が1本から2本増えたり
減ったりする異数性異常と呼ばれる先天的な染色体異常症の
ひとつで、性別を決めるX遺伝子またはY遺伝子ではなく、
常染色体のうち21番目染色体の数が1本増えることによっておこります。


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ダウン症の主な原因は染色体不分離といって、人の細胞の
核内に存在する1対2本の染色体がうまく分離することが
できないために起こります。

ダウン症では21番目の常染色体が3本になることから、
「21トリソミー」とも呼ばれます。

ダウン症の発生率は母体の年齢と関係すると考えられており、
母親の年齢が高くなると発生率も高くなるということが知られています。

これは、母親の年齢が高くなるにつれて染色体の不分離が
起こる確率が高くなるためであるとされています。

 

ダウン症の発生率と母親の年齢

ダウン症の発生率は出産時の母親の年齢とどのように
関係するのでしょうか。一般に、ダウン症の発生率は
600人に1人の割合であるとされています。

これと比べると、母親の出産時の年齢が18歳の時は1560分の1、
25歳で1340分の1となっています。

母親が20代であれば発生頻度は0.1%よりも低く、
30歳になると0.1%よりも高くなります。

たとえば、30歳では発生頻度は901分の1、
31歳では795分の1となります。
発生頻度は母親の年齢が35歳を超えると急激に上昇し、
40代ではおおむね1%よりも高くなります。

具体的には、40歳では110分の1、41歳では85分の1となり、
45歳では28分の1と3%を超えるようになります。

 

なぜ高齢出産ではダウン症の発生率が上がるの?

女性の卵子のもととある細胞は卵原細胞と呼ばれ、
胎児期の3から7か月の間に卵子を形成するプロセスに入ります。

この細胞は発達を途中で中止し、長い休止期に入り思春期以降に
ホルモンが作用することにより発達を再開します。

したがって、排卵までの期間が長いほど休止期間も長いため、
放射線や化学物質などの環境要因にさらされるリスクが大きく、
性ホルモンの影響により生物学的にも卵子が古くなります。

この結果染色体の不分離などが起こりやすくなると考えられています。


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この現象は「卵子の老化」などとしてテレビをはじめとする
マスメディアでセンセーショナルに報道されることが多いため、
中にはダウン症の原因すべてを高齢出産に押し付けてしまう人も
でてきてしまう可能性があります。

 

正しく理解するために

これに加えて障がいを持つ子が生まれた場合、何の根拠もない
「母体が悪い」という理由で母親が周囲から責められたり、
自分に責任があると思い込んでしまったりすることがしばしばあります。

特にダウン症の発生率と母親の年齢との関係は一般の人々に
もよく知られていることから、ダウン症は全て母親のせいであると
する間違った考えをする人が存在する可能性もあります。

ダウン症を含む先天的な遺伝子疾患は科学的に明らかなことよりも
不明なことの方が多く、ひとつの原因で全てを説明することはできません。

また、ダウン症のような染色体異常は卵子・精子のどちらにも、
どのような人でも1から2割は異常があるとされています。

そして受精卵では半数以上が染色体異常を持つものの、
大半が流産となり出生に至るケースが少ないため染色体異常の
発生率は一般の人々に過剰に低く見積もられているという特徴があります。

高齢出産など母親の加齢はダウン症の発生率を上げる
ひとつの要因ではありますが、それのみが原因ではなく
染色体異常は誰でも起こりうることを理解することが必要です。

また否定的な言葉や不安をあおる表現を使わないなど、
医療者側が適切な対応をとることも望まれます。