染色体異常の中に、「トリソミー」があります。

今回は、トリソミーとはどのような状態なのか、中でも多いとされる
3番、18番、21番のトリソミーにはどんな症状が出るのかを、まとめてみます。


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受精卵には、父親と母親それぞれが由来となる染色体が、
1対2本ずつあるのが普通です。

ですが、ごくまれにこの染色体が1本多くなることがあります。

 

人間には、22対44本の常染色体と、1対2本の性染色体があり、
どの染色体でも3本になる可能性があります。

常染色体にトリソミーが起きると、
多くの場合は流産に至ると言われています。

 

もし出産後に生存できたとしても、トリソミーが起きた染色体が
つくる物質が正常時の1.5倍になってしまうことにより、
知的障害や奇形などの障害が起こるのです。

13トリソミーや18トリソミー、21トリソミーなどが、その例です。
13トリソミーは「パトウ症候群」とも呼ばれ、
新生児の10000人に1人の割合で生まれます。

 

そのうちの約8割が、染色体の数に異常がある卵子や
精子が受精して生まれる、フルフルトリソミーと言われています。

 

それ以外は、初期の受精卵が分割分裂をする際に、
一部の細胞が染色体の不分離を起こし、
正常な細胞とトリソミーの細胞が混在してしまう、
モザイクトリソミーであることが多いようです。

 

子宮内では普通に発育するので、
出生体重は平均的な新生児と変わりません。

ですが、口唇裂や口蓋裂、頭皮部分の欠損、多指、
揺り椅子様の踵などの身体的所見が見られます。

 

また、脳や心臓の奇形、臍帯ヘルニアを
含めた消化管の奇形合併も多いです。

こうした個々の症状に対しては、治療を行うことができますが、
13トリソミーそのものを治すことはできません。
18トリソミーは「エドワード症候群」とも呼ばれ、
女児に多い染色体異常です。


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男児が18トリソミーになった場合、流産する確率が高く、
新生児の3000~8000人に1人が、18トリソミーを発生すると言われています。

 

この約8割がフルトリソミーで、モザイク型が約1割、
さらに少数の転座型も見られます。

18トリソミーの胎児を妊娠していると、胎動微弱や羊水過多、
胎盤の矮小、単一臍動脈などが見られ、生産期の出産でも、
新生児の出生体重が少なく、身長も低いことが多いです。

 

18トリソミーには、口唇裂や口蓋裂、握ったままの手、
耳介低位付着、小さい顎などの奇形があるだけでなく、
心室中隔欠損症をはじめ、心内膜床欠損症、単心室、
総肺静脈還流異常症など、何らかの先天性の心疾患を抱えています。

 

これも、症状に対する対症療法はできても、予後の改善は見込めません。
21トリソミーとは、いわゆる「ダウン症」のことです。

トリソミーの中で最も発生頻度が高く、1000人に1人が
ダウン症で生まれ、母親が30歳を過ぎると、
年々その発生率があがっていきます。

 

身体的な特徴としては、頭が小さく、顔は広く扁平で、
目がつりあがり、低い鼻を持っています。

21トリソミーの小児は大人しく、
心身の発達が遅れる傾向が強いです。

 

ですが、早期に教育面などに介入することで機能を高め、
成人後に就業する人も増えています。

21トリソミーは、一般の人より加齢が早く進むと言われていますが、
重篤な合併症がない限り、多くは成人になります。

 

ただし、急性リンパ性白血病や若年性アルツハイマー病などの
合併症にかかる人も多く、平均寿命は49歳というデータもあるようです。

 
これらトリソミーは、妊婦健診時の超音波検査や
羊水検査で診断することができます。

 

こうした出生前診断は妊娠15~18週で受ける人が多いですが、
流産や感染症の発生と言うリスクも負います。

100%正しい検査結果が出るとも限りませんので、
受けるかどうかは慎重に決めましょう。